Chim↑Pom展『REAL TIMES』@無人島プロダクション
Chim↑Pomが書類送検されたというニュースを見て、そういえばまだ個展の感想を書いていなかったことを思い出しました。
▼Chim↑Pom展「REAL TIMES」
2011年5月20日(金)ー25日(水)
会場:無人島プロダクション
ゴールデンウィークに渋谷駅で起きた岡本太郎『明日の神話』事件。
《LEVEL 7 feat.『明日の神話』》と名づけられたその作品は、悪質ないたずらにしてはちゃんとしていたし、一方では単なる安易な話題づくりにも思えました。でもなにか引っかかる……そんな半信半疑のまま会場へ。
で、結論。
自分的には当たりでした!
まず《LEVEL 7 feat.『明日の神話』》が目玉なのかと思いきや、これは全くの序章だったことが判明。これは気持ちよく裏切られましたねぇ。過去に様々な賛否両論を巻き起こした彼らだとしても、今回の個展は見る価値があったと思われます。
長いですが、いくつか作品の紹介と感想をば。
*
《Real Times》

福島第一原発内にある展望台に登り、白旗に赤い電離放射線マークを描いて掲げる自らの行為を追った映像作品。それは原発に制圧された日本の姿のようでもあり、その現実に向き合いながら未来を拓いてゆく日本へのエールにも思えました。この旗はいまも閉鎖された野外空間で風になびき、ゆっくりと朽ちていきながら、連続する「今」を見守っていることでしょう。
作品解説より:
4月11日、福島第一原発内展望台の登頂を目指す。東京電力発表の放射線量は、199マイクロシーベルト/毎時。(〜中略〜)初日の出のスポットとしてPRされている展望台からは、黒い煙を上げる4号機と、大量の汚染水が流れ出た太平洋が眺められた。白旗にスプレーで日本の夜明けを望みつつ、封鎖が解かれるその日までここに「現状」としてそれを掲げることにした。
《被曝花ハーモニー》 feat. 柿崎順一

原発から30km地域周辺で被爆した植物を除染して活け、その隙間を想い出で埋めるかのように津波の漂着物が顔をのぞかせる。そこにあるのは「戻れないあの日」を悔やむ絶望の世界ではなく、当たり前だった生活を慈しみ、心に刻み、今を必死に生きようとする姿でした。
作品解説より:
植物は動物と違って逃げられない。放射能はどんな影響を与えるのだろうか。植物はそれに苦しむのだろうか。花の何かが変わったとして、その美しさも変わるのだろうか。危険区域にも関わらず、今も草花や木は相変わらず生い茂っている。むしろ立ち入り禁止区域の花は、今後更に「狂い咲く」かもしれない。そもそも生け花は「切られても生きる」人智を超えた生命力が基になる。その力強い姿には、自ら蒔いた問題に右往左往する人間への「癒し」だけではない、むしろ自らの「運命を全うする」ような美しさがあるのではないか。生け花の起源は「献花」にあるといわれている。僕たちはこれを全ての逆境で生きる生命に献じたいと思う。
《エロキテル3号機(実用機KIBOU)》

スポーツ新聞の3行広告に「チ◯ポム♡エロキテル」の文字と携帯番号を掲載し、それを見て電話してきた貪欲なエロエネルギーで電気をつける性欲電気変換装置。えー、意外と頻繁に会場が明るくなります。このペースだと、いつかエロエネルギーで発電できる日も来るかも!?笑いとともに、そんな錯覚に陥いらせてくれた作品(いや、あるいはもしかして……)。
《気合い100連発》
壊滅的な被害を被りながら、放射能の影響などでボランティア不足に悩む福島県相馬市。復興にあたる地元の若者とChim↑Pomメンバーが円陣を組み、瓦礫の中で順番に気合いの言葉を叫んでいくのがこの映像作品。終始ハイテンションながら、ふとした言葉や間の中に彼らの本音や悲しみが垣間見え、そしてまた笑いの中に消えていく……。
個展来場者には、音声だけを収録したCD-Rが配布されました。
*
ほかにも色々な作品があったけど、とくに印象に残ったのはこの4つかなー。
《LEVEL 7 feat.『明日の神話』》は、役目を終えた土器のかけらのように、静かに佇んでいるのが印象的でした。やっぱり『明日の神話』につなげてこそ活きる作品なんだろうな。

ちなみにこの絵。実際に煙の上がる建屋を福島原発内の展望台からスケッチして、何枚もの候補を制作したうえで選び抜いた一枚を『明日の神話』に増設したそうです。気合いパネェ。
……というわけで、今回の個展は自分的にわりと好評価。
社会派ぶってきれいなポーズをキメてる人たちよりは、少なくとも伝わるものはありました。やることやって、必要以上にシリアスにならない。不謹慎だと思って追いかけてみたら、意外とちゃんとしてる。意表を突かれて手をゆるめた一瞬のスキに、笑いながら逃げていく。
そういう感じ、好きです。
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Comments
行きたかったです。
「明日の神話」のクロニクル更新良いと思います。
中途半端じゃないから胸を打つ。
プラスでもマイナスでも、人に感動をもたらせばそれは大成功なのです。
Posted by: &子 | Jul 10, 2011 at 12:14