安藤美姫のGOLDEN SKATEインタビュー(和訳)
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GOLDEN SKATEに安藤美姫選手のインタビューが載ってましたー!
先日書いた記事で今後の戦い方を予想してみたのですが、そのあたりにも答えてくれていますね。意外にボリュームがあってびっくりですが、なかなか貴重な記事かなと思ったので頑張って和訳してみました。
■元記事:Miki Ando - "I was just lucky"(GOLDEN SKATE)
November 12, 2009 / Article by Tatiana Flade
【以下、記事本文(和訳)】 ※印は私の注釈
安藤美姫(日本)はグランプリシリーズ2戦(ロシアのロステレコム杯とNHK杯)とも優勝し、ISUグランプリファイナルへの進出を決めた。五輪シーズンは好スタートをきったが、2007年の世界女王はまだ満足していなかった。「私のフリースケーティングは、大きな競技会で戦えるだけの実力がありませんでした」と安藤は語る。
安藤はNHK杯のフリーでいくつかミスをして、ロシアのアリョーナ・レオノワに負けている。「モスクワの時よりも良いスケートをしたかったのですが、かえって自分の弱点をさらけだす結果になってしまい、勝利の喜びは10%ほどしか感じていません。運がよかっただけです。喜びに浸ることはできません」と彼女はつづけた。
コーチのニコライ・モロゾフが織田信成とともに中国杯へ遠征していたため、安藤はほぼ1週間、一人で練習していた。「練習は十分だったと思いますが、ちょっと不安を感じていました」と語る。「(一人で練習する)強さが自分に足りなかったのかもしれません」。モロゾフの指示により、彼女はショートプログラムで3ルッツ-3ループを回避したが、そのことが彼女自身を落胆させた。「3回転の連続ジャンプはキーポイントになりますし、私は何度も飛んできました。そのため、どこか喪失感があり気持ちが弱くなっていましたね」。
この21歳(安藤)は12月初旬のグランプリファイナルに目を向ける。「ファイナルに出場できることは嬉しく思います。一生懸命トレーニングを積んで、強い精神力でのぞみたいと思います」と話した。「日本の方々にもっと強い演技をお見せしたいですね。ファイナルでは表彰台に上りたいです。オリンピックに向けて重要なステップになるでしょうから」。
そのファイナルでは、違ったショートプログラムが見れるかもしれない。安藤はもともとショートプログラムとして『夜の女王』を選んでいたが、秋になって『レクイエム』に変更している。「最初のプログラムとして蜘蛛のイメージを出すのは理解しがたいと思われた方々もいたのでは」と安藤は語る。(今後について)モロゾフコーチは「今のショートプログラム(レクイエム)を変えるか、プログラムの冒頭を変更するかもしれない」と明らかにした。「実際のところ、ジャンプについては心配していない。ミキのジャンプは練習でとても安定している。しかし、プログラムの最初のリズムが彼女には合っていないのかもしれない」。
一方、『クレオパトラ』と名づけたフリープログラムについては、二人とも非常に満足している(※1)。実際、自信に満ちた美しいエジプト女王のイメージは、安藤のイメージと完全に一致しているのだ。このプログラムの音楽は、『Rome』(テレビシリーズのサウンドトラック)、『Marco Polo』(Ennio Morricone(※2)作曲、Yo-Yo-Ma(※3)演奏のサウンドトラック)、『Mission Cleopatra』(映画『アステリクスとオベリスク』より)の3つで構成されている。
「世界中の誰もがクレオパトラのことは知っています」と安藤。「クレオパトラは有名な女王であり強い女性ですが、同時に、家庭を持ち家族を愛した女性でもあります。彼女の人間像を、その両面から表現したいですね。自分も彼女のようになりたいと思いますし、彼女を演じるのは楽しいです」。
このプログラムを滑るにあたり、安藤はこれまでの競技会で2つの違う衣装で出場した。ロシアのロステレコム杯では金色がかったブロンズカラーの衣装、NHK杯では鮮やかな青と金色にエジプトの象徴がついた衣装だ。3つ目の衣装(※4)は、グランプリファイナルで試すかもしれない。
彼女の有名な4回転サルコウは、ファイナルでは見られないだろう。安藤は競技会で初めて4回転を飛んだ(そして、今のところ世界で唯一の)選手として歴史を作った。彼女は2002年12月に行われたISUジュニアグランプリファイナルで4回転サルコウを降りたのだ。
「4回転の練習はしていますが、今すぐプログラムに取り入れるほど十分な状態ではないですね」と明かす。「今年は五輪シーズンです。5コンポーネンツ(演技構成点)を磨いていかなければいけないと感じていますし、夏の間も練習でそこに焦点をあてていました。まずは3回転の連続ジャンプを安定させなければいけませんね。もしコンディションがよく、すべてが上手くいっていれば五輪でもぜひ4回転を飛びたいです。五輪で4回転ジャンプをするのは夢でしょうね」。
4回転ジャンプがなくても、このスケーターはバンクーバーでメダル争いに入る強豪だ。安藤は2007年の世界選手権で優勝。しかし2008年の世界選手権では怪我のためフリー演技中に途中棄権を余儀なくされた。脚の筋断裂をおして戦おうとしていたが、プログラムが始まって2分もたたないうちに、涙とともにリンクを去ることになったのだ。そして昨年、彼女は復活し、ロサンゼルスで開催された2009年の世界選手権では銅メダルを獲得した。
安藤は戦士であり、何度もそれを証明してくれる。一方、彼女が感受性の強い感情的な人間であること、そして自己に対する要求が非常に高い人間であることはあまり知られていない。彼女はナーバスになって競技会で多くの涙を流してきた。「自分に大きなプレッシャーをかけてしまい、うまくいかないと落ち込んでしまうんです」と告白した。
日本では、どこに行ってもパパラッチのレポーターやフォトグラファーたちが追ってくるため、"beautiful princess"(ファーストネーム「美姫」の直訳)は生活しづらくなってしまった。安藤は2005年の春に拠点をアメリカに移し、まキャロル・ヘイス・ジェンキンスに師事を仰いだのち、ニコライ・モロゾフのもとで練習している。
「はじめはアメリカでの生活は大変でした」と安藤は当時を振り返る。「あまり英語を喋れなかったですし、みんなが何を言っているのかもわからなかったんです。でも、今はHackensackで多くの友人ができましたし、なるべく英語でしゃべるようにしています。だんだん上手くなってきているので、とても楽しいですよ」。
「アメリカ生活はだんだん楽になってきました」と安藤は続ける。「出かけるときも平和です。私はもちろん日本を愛していますが、たまに(日本での生活に)難しさを感じることがありますね。外ではパパラッチが待ち受けていて、いろいろなことを書くのです」。過去には日本スケート連盟がマスコミに対して、引き返すよう公文書で要請したこともある。
2004年の世界ジュニア女王は9歳のおわり頃にスケートを始めたが、2年後には初めて3回転ジャンプを降りている。そのジャンプは、もちろん、サルコウだ。このアスリート・ガールはスケートに集中する前、水泳やバレエ、ピアノ、書道といった活動(習い事)をしてきたが、本人は「スケートが一番面白かったし、最も自分を表現できると思いました」と説明する。
名古屋でスケートを始めたとき、彼女は活発な練習仲間に恵まれた。「昔はグループレッスンを受けていたんです」と振り返る。「(浅田)真央や舞もいて、1日8時間もジャンプを競いあったんですよ!自分の基礎はそこで培われたと思っています。この競争は、誰がもっとジャンプを跳べるか?というゲームみたいなものでしたね」。
ジャンプは安藤を有名にした。だが、彼女は完璧なスケーターになるために、そしてより芸術性を高めるためにハードな練習を積んでいる。彼女は、バンクーバーの表彰台へ向かうために何が必要か分かっている。「プログラムを完璧に滑ること、そしてもっと自信を持たなければいけませんね」と彼女は締めくくった。
※1:日本のテレビ放送では『「ローマ」ほか』という表題が出ていました
※2:Ennio Morriconeはイタリア映画音楽の巨匠
※3:Yo-Yo-Maは世界を代表するチェリストの一人
※4:別のアイスショーで着た衣装を指していると思われます
*
以上。長っ!
でも、知ってること、知らないこと、こうしてまとめ読みできる記事はいいですねー。日本のWeb媒体で、これだけ安藤選手に特化して記事を書いてくれるところも少ないので嬉しいです。
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