伝統とは、最先端の積み重ねである
NHKの新日曜美術館で「第54回 日本伝統工芸展」をフィーチャーしてたんですが、ひっさびさに脳を刺激される内容で面白かったです!
どの作品も素晴らしいのですが、とくに気になったのはコレ。

高松宮記念賞
積層硝子皿「月暈」(せきそうがらすざら「つきがさ」 )
小島有香子・作
見方によって色が変わるこの作品は、ビルの窓にも使われる建材用ガラスを何枚も張り合わせ、断面を削りだして光を織ってゆくことで月暈の浮かび上がる様子を表現したのだそうです。すごいなあ。これ実物見てみたい。
ちなみに、ガラスの作品は小さい塊から大きなかたちを作ってゆくのが通常のやり方で、大きな塊から小さく削りだしてゆくのは珍しい手法なのだそうです。この点について、東京藝術大学の竹内順一教授が以下のような言葉を添えていました。
「伝統というのは、今までの歴史のうえに新しいページを加えて、また少し時代が経つと、それが次の時代の土台になる。つまり伝統になるという、そういうものだと思うんですよね。」
江戸風鈴の名づけ親であり江戸川区無形文化財保持者でもある篠原儀治さんも、えどがわ伝統工芸ワールドのインタビュー記事でこんなことを述べています。
「老舗というのは常に先端を走っていなければ駄目だと思います。」
伝統とは、最先端の積み重ねであると。
つまり、保守とは異なるものであるということですね。
私のやっている仕事は伝統工芸からほど遠く、サービスがものすごいスピードで消費されてしまう類のものです。しかし、ただ刹那的に消費されるのではなく、その精神が「伝統」として次の時代に受け継がれていくような最先端を積み重ねていきたいなあと常々思います。
今回の日本伝統工芸展で受賞したほかの作品については、またいずれ。
▼第五十四回 日本伝統工芸展(日本工芸会)
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» 伝統工芸との距離 from 雪月花 季節を感じて
今年も東京の日本橋三越で「日本伝統工芸展」が開催されています。(2007年9月30日まで。その後、全国に巡回予定) 同じ時期に芭蕉布の重要無形文化財保持者(人間国宝)の平良敏子さんの作品展が東銀座の時事通信ホールで行われており(こちらも2007年9月30日まで)、楽しみが二倍にふくらんでいます。
数千点におよぶ日本工芸会会員および一般作家の入選作と人間国宝の最新作がずらりと並ぶ会場をめぐりますと、日本の匠は健在であること、そして作家のたゆみない努力によってその匠は年々磨かれていることを実感し... [Read More]
Tracked on Sep 27, 2007 10:15:02 AM






Comments
へー、こういう職人の方たちって伝統は「守る」っていう考えの方ばかりだと思ってました。意外っす。
伝統とは最先端の積み重ね・・・見習いたい精神です。
Posted by: kote2 | Sep 25, 2007 at 20:32
>kote2さん
そうなんですよ~。
ただ単に最先端なだけではなく、それを未来につなげていく前提でものづくりをするという精神がよいですよね。
Posted by: room119 | Sep 26, 2007 at 10:03